市場効率化説は本当に正しいのか?
資産運用の議論でよく登場するのが「市場効率化説」です。
インデックス運用が合理的だと言われる背景にも、この理論があります。
では、市場効率化説とは何なのでしょうか。
そして、それは本当に正しいのでしょうか。
市場効率化説とは何か
市場効率化説とは、
市場価格には利用可能な情報がすでに織り込まれている
とする考え方です。
もしこれが完全に正しければ、
- 割安株を見つけることは難しい
- 将来の値動きを予測することはできない
- 誰も継続的に市場を上回れない
という結論になります。
つまり、平均を取るインデックス運用が合理的だ、という話につながります。
効率性には段階がある
市場効率化説には三つの段階があります。
① 弱い効率性
過去の価格情報はすでに織り込まれている。
→ チャート分析だけでは勝てない。
② 準強い効率性
公開されている情報はすでに価格に反映されている。
→ 決算情報やニュースを読んでも優位性は出にくい。
③ 強い効率性
内部情報まですべて織り込まれている。
→ 誰も超過リターンを出せない。
理論としては非常に強力です。
それでも疑問は残る
もし市場が完全に効率的であるなら、
長期にわたり市場平均を上回り続ける投資家は存在しないはずです。
しかし現実には、存在しています。
代表例が
ウォーレン・バフェット です。
もちろん、例外的な存在と見ることもできます。
しかし、
「市場は常に完全に効率的である」
と断定するには、現実はやや複雑です。
市場は常に均質ではない
市場は一枚岩ではありません。
- 大型株市場
- 小型株市場
- 新興国市場
- 流動性の低い分野
それぞれ情報の偏りや参加者の質が異なります。
効率性は市場によって差がある、という見方もできます。
また、人間が参加する以上、
- 過度な楽観
- パニック売り
- 群集心理
といった非合理的な動きも完全には排除できません。
理論と現実のあいだ
市場効率化説は、資産運用を考えるうえで非常に重要な理論です。
- 過信は危険
- 高コストは不利
- 市場を出し抜くのは簡単ではない
これらを教えてくれます。
一方で、
市場が常に完全に効率的であると断定するのも、また単純化しすぎです。
理論は強力ですが、絶対ではありません。
結論
市場効率化説は、資産運用の出発点としては極めて有用です。
しかし、
- 誰も絶対に勝てない
- すべてのアクティブ運用は無意味
とまで言い切るのは飛躍です。
重要なのは、
理論を理解したうえで、
どこまでを前提とするかを冷静に考えることです。
市場は合理的な側面を持ちながらも、
常に完全に合理的とは限りません。
その「理論と現実のあいだ」にこそ、
資産運用を考える余地があります。

