インデックスとアクティブ、どちらが正解か?
資産運用の相談でよくある質問があります。
「インデックスとアクティブ、どちらがいいのでしょうか?」
この問いはシンプルに見えて、実は非常に奥が深いものです。
結論から言えば、
どちらか一方が絶対に正解というわけではありません。
しかし、「どちらでもよい」という話でもありません。
まずは、それぞれの考え方を整理してみましょう。
インデックス運用とは
インデックス運用は、市場全体の指数に連動する成果を目指す方法です。
たとえば、
S&P500やTOPIXのような指数に連動する運用です。
市場全体の平均的な動きをそのまま取りにいく、という設計になります。
特徴としては、
・コストが比較的低い
・売買回数が少ない
・市場平均に近い成果になる
といった点が挙げられます。
「市場をそのまま受け入れる」という考え方です。
アクティブ運用とは
アクティブ運用は、市場平均を上回る成果を目指します。
銘柄を選び、配分を調整し、
指数とは異なる動きを作ることで超過リターンを狙います。
特徴としては、
・銘柄選択の自由度が高い
・市場と違いを作れる
・コストは高めになることが多い
という点があります。
「市場を上回ることを目指す」設計です。
なぜインデックス優位と言われるのか
投資理論では、
市場は効率的であるとする考え方があります。
情報は瞬時に価格に反映され、
誰かが継続的に市場を出し抜くのは難しい。
この考え方をわかりやすく説明したのが
『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス著)です。
投資は「勝者が勝つゲーム」ではなく、
「敗者が自滅するゲーム」に近い、という比喩です。
プロ同士が競い合う市場では、
大きな成功よりも、大きなミスをしないことが重要になる。
その結果、
低コストで市場平均を取るインデックスが合理的だ、
という結論になります。
それでもアクティブは否定できるのか
ここで短絡してはいけません。
実際に長期で市場平均を上回り続けた投資家は存在します。
ウォーレン・バフェットはその代表例です。
もし市場が常に完全に効率的であるなら、
こうした存在は説明が難しくなります。
つまり、
・多くのアクティブは指数に勝てない
・しかし勝てるアクティブも存在する
この両方が事実です。
問題は、「勝てるアクティブを見極められるか」という点です。
本当に考えるべきこと
インデックスか、アクティブか。
議論はしばしば対立構造になります。
しかし本質はそこではありません。
重要なのは、
・過剰な売買をしていないか
・高コストに気づいているか
・感情で売買していないか
つまり、自滅する構造を持っていないかどうかです。
投資は、
誰かが華麗に勝ち続けるゲームというよりも、
余計なミスを重ねた側が負ける構造に近い。
この視点を持つだけで、
インデックスかアクティブかという問いの意味も変わってきます。
まとめ
インデックスとアクティブ、どちらが正解か。
単純に優劣を決められる問題ではありません。
・理論的にはインデックスは合理的
・現実にはアクティブで成功した例もある
・市場効率化説は有力だが絶対ではない
そして何より、
自滅しやすい構造を避けることが、長期では重要になります。
インデックスかアクティブかを選ぶ前に、
まずは自分の運用が「勝とうとし過ぎていないか」を点検してみる。
そこから議論を始めるほうが、
はるかに建設的かもしれません。

