教育費はどう貯める?貯金・NISA・学資保険の考え方をFPが解説

子どもの教育費を準備するとき、

「とりあえず貯金しておけばいい?」
「NISAで運用した方が増えるのでは?」
「学資保険は今でも必要?」

と迷う方は多いのではないでしょうか。

結論からいうと、教育費は「貯金・NISA・学資保険のどれが一番いいか」で決めるのではなく、そのお金をいつ使うのかによって準備方法を分けることが大切です。

数年後に必要になるお金と、10年以上先に必要になるお金では、取れるリスクが違います。

この記事では、教育費を準備するときの貯金・NISA・学資保険の考え方を、共働き・子育て世帯を想定しながらFPの視点で整理します。


結論|教育費は「使うまでの期間」で準備方法を考える

教育費の準備で最初に考えたいのは、商品ではありません。

「いつ、いくら必要になるのか」

です。

例えば、3年後に高校入学を控えている家庭と、生まれたばかりの子どもの大学費用を準備する家庭では、同じ300万円を目標にしていても準備方法は変わります。

考え方の目安は次のようになります。

使うまでの期間基本的な考え方
5年以内預貯金など、必要な時期に金額を確保しやすい方法を中心に考える
5〜10年程度預貯金を基本にしながら、運用する場合は使う時期とリスクを慎重に考える
10年以上預貯金に加え、NISAを利用した長期的な資産形成も選択肢
時期が決まっている教育資金必要な時期までに現金化する計画も考えておく

これは絶対的な基準ではありません。

大切なのは、教育費をすべて同じ方法で準備しなくてもよいということです。


そもそも教育費はいくら必要?

教育費を考えるとき、「大学まで全部でいくら?」という総額に目が向きがちです。

しかし、実際の家計では総額だけではなく、いつ負担が大きくなるのかが重要です。

幼稚園から高校まで公立か私立か、塾や習い事をどの程度利用するかによって負担は大きく変わります。

さらに大学では、授業料などの学費だけではありません。

自宅外から通学する場合には、家賃や食費などの生活費も考える必要があります。

日本学生支援機構(JASSO)の令和6年度学生生活調査では、大学学部(昼間部)の学生生活費は、学費と生活費を合わせて年間平均約202万円となっています。

4年間なら単純計算で約808万円です。

もちろん、国公立か私立か、自宅通学か一人暮らしかなどによって実際の負担額は大きく変わります。

だからこそ、

「教育費として1,000万円必要らしい」

といった大きな数字だけを見て不安になるのではなく、子どもの年齢から逆算して準備することが大切です。


教育費を貯金で準備するメリット

教育費の基本となるのは、やはり預貯金です。

必要なときに使いやすい

預貯金の大きなメリットは、必要になったときに使いやすいことです。

高校や大学の入学時期は基本的に決まっています。

入学金や授業料の支払い時期になって、

「相場が下がっているので、あと3年待とう」

というわけにはいきません。

必要になる時期が近い教育費ほど、価格変動のある資産ではなく、預貯金などで確保しておくことが重要になります。

金額を把握しやすい

「教育費用の口座に現在200万円ある」と確認できるため、目標まであといくら必要なのか把握しやすいこともメリットです。

一方で、預貯金だけでは大きく増やすことは期待しにくいため、大学まで10年以上ある場合には、長期的な資産形成と組み合わせる考え方もあります。


NISAで教育費を準備してもいい?

子どもが小さい家庭では、NISAを利用して教育費を準備する方法も選択肢になります。

ただし、まず理解しておきたいのは、

NISAは教育費専用の制度ではない

ということです。

NISAは投資によって得た利益が非課税になる制度であり、元本が保証される制度ではありません。

投資信託や株式などは値動きがあるため、必要になる時期に元本割れしている可能性があります。

そのため、

「NISAなら教育費を効率よく貯められる」

と単純に考えないことが大切です。


NISAが選択肢になりやすいのは「時間があるお金」

例えば、子どもが0歳で大学進学まで18年ある場合を考えてみましょう。

大学進学まで長い期間があります。

こうした長期間使う予定のない資金については、預貯金だけではなく、長期・積立・分散を意識した資産形成を取り入れる余地があります。

一方、子どもが15歳で大学進学まで3年しかない場合はどうでしょうか。

3年後に必要になる入学金や授業料まで投資してしまうと、大学進学直前に相場が大きく下落する可能性があります。

つまり重要なのは、

「NISAを使うか」ではなく、「そのお金を何年間使わずにいられるか」

です。


NISAで準備するなら「出口」も考える

教育費をNISAで準備する場合、始め方だけでなく、使うときのことも考えておきたいところです。

例えば大学進学まで10年以上あるからといって、進学直前まで教育費の大部分を値動きのある資産で保有し続ける必要はありません。

必要な時期が近づいたら、

運用していた資金の一部を少しずつ現金に移していく

という考え方があります。

教育費は使う時期が比較的予測しやすいお金です。

そのため、

「いつ投資するか」

だけではなく、

「いつから現金に戻していくか」

まで考えておくことが重要です。


学資保険はどう考える?

教育費の準備方法として、昔から利用されてきたのが学資保険です。

学資保険は一般的に、保険料を一定期間払い込み、子どもの進学時期などに合わせて満期保険金や祝い金を受け取る仕組みです。

商品によっては、契約者である親に万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除される保障があります。

学資保険のメリット

主なメリットとしては、

  • 教育費を計画的に準備しやすい
  • 自分で取り崩しにくいため、半強制的に貯めやすい
  • 契約内容によっては親に万一のことがあった場合の保障がある

といった点があります。

学資保険の注意点

一方で、

  • 途中解約すると受取額が払込保険料を下回る場合がある
  • 預貯金ほど自由に引き出せない
  • 契約内容によって受取率や保障内容が異なる
  • 長期間、資金の使い道が固定されやすい

といった点も確認する必要があります。

「教育費だから学資保険」という決め方ではなく、保障が必要なのか、貯蓄性を重視するのか、途中で使う可能性があるのかまで考えて選ぶことが大切です。


貯金・NISA・学資保険を比較すると?

それぞれの特徴を大まかに整理すると、次のようになります。

預貯金NISAを利用した投資学資保険
元本の安定性高い価格変動あり契約内容による
増える可能性小さいある契約内容による
必要時の使いやすさ高い売却が必要原則として契約条件による
元本割れの可能性原則低いある途中解約などであり得る
親の万一への保障なしなし契約内容によってあり
向いている考え方近い将来使う教育費長期間使わない資金計画的な積立と保障を組み合わせたい場合

重要なのは、どれか一つが優れているということではありません。

安全性・収益性・流動性をすべて最大にできる方法はないため、目的によって使い分けることが基本です。


例えば「大学資金400万円」を準備するなら?

例えば、子どもが5歳で、大学進学まで約13年あるとします。

大学入学までに400万円を準備したいとしましょう。

単純に13年間で400万円を貯めるなら、

400万円 ÷ 13年 ÷ 12か月

で、毎月約2万5,600円です。

ただし、教育費の準備を考えるときに、

「毎月2万5,600円を全部NISAへ」

とする必要はありません。

例えば、

  • 確実に確保したい部分は預貯金
  • 長期間使わない部分は資産形成
  • 必要に応じて保障を別に確保する

というように役割を分ける方法があります。

そして大学進学が近づいたら、必要になる金額を徐々に現金で確保していきます。

このように考えると、「貯金かNISAか」という二択ではなくなります。


住宅ローンがある家庭は教育費だけを見ない

横浜市都筑区・センター北周辺の30〜40代の子育て世帯では、住宅ローンを返済しながら教育費を準備している家庭も多いでしょう。

この場合、教育費だけを切り離して考えると判断を誤ることがあります。

例えば、

「大学資金を早く貯めたいから毎月10万円積み立てる」

としても、その結果、生活防衛資金がほとんど増えなかったり、住宅ローン返済とのバランスが崩れたりするのであれば、家計全体では無理が生じるかもしれません。

反対に、

「住宅ローンを早く返したい」

と繰上返済を優先しすぎて、大学進学時の現金が不足する可能性もあります。

教育費、住宅ローン、資産形成、老後資金は、すべて同じ家計から出ていくお金です。

それぞれを別々に最適化するのではなく、家計全体で優先順位を決めることが重要です。


共働きなら「どちらかの収入が減った場合」も考える

共働き世帯では、現在の世帯収入を前提に教育費の積立額を決めてしまうことがあります。

しかし、10年以上の間には、

  • 転職
  • 育児による働き方の変更
  • 病気やケガ
  • 親の介護
  • 収入の増減

などが起こる可能性があります。

現在毎月5万円積み立てられるからといって、15年間ずっと同じ金額を積み立てられるとは限りません。

教育費の計画では、

「今ならいくら積み立てられるか」だけではなく、「収入が変わっても続けられる金額か」

という視点も大切です。


FPなら教育費をどう整理する?

教育費について相談を受けた場合、FPが最初から「NISAがいい」「学資保険がいい」と決めるわけではありません。

まず確認したいのは、

  • 子どもの年齢と人数
  • 公立・私立についての希望
  • 大学進学についての考え方
  • 現在の教育費
  • 現在の預貯金
  • 毎月積み立てられる金額
  • 住宅ローン
  • 生活防衛資金
  • 老後資金
  • 夫婦それぞれの収入見込み

などです。

そのうえで、

「いつ必要になるお金なのか」
「いくらまでなら値動きを受け入れられるのか」
「確実に確保しておきたい金額はいくらなのか」

を整理します。

教育費の準備方法は、その後に決めるものです。


よくある質問

Q. 教育費はすべて貯金で準備した方が安全ですか?

必要な時期に金額を確保しやすいという意味では、預貯金には大きなメリットがあります。

一方、大学進学まで10年以上あるなど十分な時間がある場合は、家計やリスク許容度に応じて、長期的な資産形成を組み合わせる方法も考えられます。

Q. 教育費をすべてNISAで準備してもいいですか?

慎重に考える必要があります。

投資には元本割れの可能性があるため、必要な時期が近い教育費まで投資すると、進学時に相場が下落している可能性があります。

必要時期が近づいた資金は、預貯金などへ移していくことも検討しましょう。

Q. 学資保険は入った方がいいですか?

一概にはいえません。

計画的に教育費を準備できることや、契約内容によって保障があることはメリットですが、途中解約や資金の自由度などの注意点もあります。

保障と貯蓄をどこまで一緒にする必要があるかを考えて判断しましょう。

Q. 教育費はいくら貯まっていれば安心ですか?

子どもの年齢、人数、進路によって大きく異なります。

「○歳なら○万円」と平均額だけで判断するより、希望する進路から必要額と必要時期を逆算する方が実際の家計には役立ちます。

Q. 教育費と老後資金はどちらを優先すべきですか?

教育費だけを優先して老後資金の準備を完全に止めることが、必ずしも適切とは限りません。

教育費には奨学金などの選択肢がありますが、老後資金は準備できる期間が限られます。

両方をライフプランの中で考えることが大切です。


まとめ|教育費は「商品」ではなく「使う時期」から考える

教育費を準備するとき、

「貯金がいい?」
「NISAがいい?」
「学資保険がいい?」

と商品から考えてしまいがちです。

しかし、本当に重要なのは、

いつ、いくら必要になるのか

を先に整理することです。

基本的には、

近い将来に使うお金
→ 必要な金額を確保しやすい方法

長期間使わないお金
→ リスクを理解したうえで資産形成も検討

保障も必要
→ 必要な保障を確認

という順番で考えると整理しやすくなります。

そして、教育費だけを考えるのではなく、生活防衛資金、住宅ローン、老後資金とのバランスも重要です。


教育費だけでなく、将来のお金をまとめて整理する

子育て世帯のお金について考えていると、

「大学までにいくら貯めればいい?」
「NISAはいくら積み立てる?」
「住宅ローンの繰上返済はした方がいい?」
「老後資金まで準備できる?」

と、いくつもの問題が同時に出てきます。

一つずつ考えると正解に見えても、家計全体で見ると無理があることもあります。

FPSでは、現在の収支や預貯金、住宅ローン、教育費、今後の資産形成などを整理し、ご家庭ごとの優先順位を一緒に考えています。

特定の商品を選ぶことから始めるのではなく、まずは**「将来のお金を、納得できる形に整理する」**ことから考えてみてはいかがでしょうか。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です